低周波送電に関する研究
近年,海洋国家である我が国では洋上風力発電等,海から得られる自然エネルギーの利用法が模索されてきている。我が国の排他的経済水域は広大であり,ここで得られるエネルギーを効率よく電力消費地へ送電できることが望ましい。長距離送電法として直流送電がある。しかし,安価なCVケーブルに直流電圧を印加すると絶縁体内に空間電荷が蓄積し絶縁破壊を引き起こすため,高価な無機充填剤入りのCVケーブルや油入りケーブル(OFケーブル)を用いる必要がある。特にOFケーブルはケーブル内にオイルを循環させる必要があり,その電力やメンテナンス費も問題となっている。これらの問題を解決するために,5Hz-10Hzの低周波送電が提案されている。マルチレベルの電圧が出力できる直列多重インバータを用いて低周波送電を行うミニモデル実験結果について研究している。